池のかえるの生涯

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 吉本新喜劇の小柄なコメディアンの、大柄な弟子の一生のことではありません。ここは静寂が辺りを包む山の中の池なのです。

市街地から歩いて15分ばかりの東山連山にこんな池があるのは、あまり知られていませんが、毎年梅雨どきになると、この池ではモリアオガエルが産卵するのです。上の写真には中央と左側に二つの卵塊が見られます。
 梅雨の雨により水分を補給されて、この卵塊の中で卵が孵化し、小さなオタマジャクシになるころに、泡のゆりかごが解け始めます。泡とともにオタマジャクシは下の水面に落ちて、そこで成長するのです。しかしそこには、モリアオガエルの天敵、アカハライモリが待ち構えて、幼いオタマをねらっているのです。

 もっと近寄ろうとして池の傍に近づくと、ビクッとしました。何と目の前にヘビがいるのです。しばらく見ていましたが、じっと動きません。

 長い枝でつっついてみると、ご覧のように何とモリアオガエルを呑み込もうとしていたのです。体の模様からするとシマヘビです。どうも私はシマヘビの食事のジャマをしてしまったようです。このシマヘビ、戦闘態勢に入っています。この後するすると逃げて行くヘビの長さは1メートル以上はあったのでした。こんな身近かなところで野生の営みがひっそりと行われているのです。

 こういう光景を目の当たりにすると、かえる人生(?)も、多難なもののようです。

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