蓮華寺
「蓮華寺は、下宿を兼ねた」というのは、藤村の『破戒』の冒頭の一文ですが、ここ洛北・三宅八幡の地に蓮華寺があります。
このお庭は、素晴らしいものです。恥ずかしながら、この日行ってみるまで全く知りませんでした。
水の澄んだ池には、鶴と亀の石が配置され、何かなつかしい雰囲気さえします。それもそのはず、詩仙堂の石川丈山の作庭だということです。
亀石には、楓の枝が日陰をつくり、池のコイの動きとともに波紋を石の面に映しています。
それはさながら、永遠のたゆたいのようです。
こんな素晴らしいお庭のお寺が、あまり有名にならずにひっそりと佇んでいるのは、
やはり京都の懐の深さと言えるでしょうか。