涌泉寺さし踊り

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 このムービーは、毎年8月16日、大文字の送り火の日に、まさにその直後に行われる盆踊りです。松ヶ崎の妙法の山の中腹にある涌泉寺の「さし踊り」というものです。お聴きになってわかるように、男方と女方が掛け合う素朴で哀愁を含んだ曲調です。また踊りの方も単調な所作で淡々と続いていきます。

 このような形式は、ひょっとすると日本の古代に見られたという歌垣の形式を残しているのではないかと夢想してしまいます。この松ヶ崎の地は、昔から法華宗が盛んで、この踊りもそれに関連したもののようです。この「さし踊り」の他に、「お題目踊り」というものも踊られます。これまさに、法華宗のお題目を唱えながら踊るものなのです。

 最小限の照明の中、古代から綿々と守られ続けられてきた、この踊りを目の前にしていると、寺の裏山の闇の中に、吸い込まれていくような錯覚にとらわれてしまいます。

空に目をやると、黒々とした大きな杉の木陰を透かして、上弦の月が西に傾いているのでした。

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