植治1
−洛翠−

目次へ

 京都・岡崎かいわいには、あちらこちらに大きな庭園をもつ寺社や邸宅があります。その多くが明治時代の作庭の名匠・植治こと七代目小川治兵衛の作です。平安神宮の庭園をはじめ、無鄰菴や碧雲荘の庭園もそうです。これらの庭園に共通しているのは、琵琶湖疎水から引いた流水をふんだんに使っていることです。ここ料亭・洛翠の庭園も植治の作で、庭の中心には琵琶湖をかたどった池がしつらえられ、開放的で若々しくすがすがしい雰囲気です。

初夏の木々の葉が伸び、木の下闇を作って、そこからまぶしい光がのぞいています。

この建物は、「画仙堂」と呼ばれ、堂の上にはクジャクが止まっています。
池には睡蓮が咲いて、イトトンボが頼りなげに飛んでいます。

石臼を飛び石にしたところ、平安神宮の臥龍橋と同工ですが、
このデザインは私は気に入りました。
この洛翠の庭園は、食事なしでも一般公開をしていますので、
一度ご覧になってはいかがでしょうか。

目次へ