京都にロシア正教会?

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京都の街、柳の馬場通りを丸太町通りを南に向かって歩いていくと、まもなくなんでもない街並みのなかに、上のような建物が突然姿を現すのです。なんとこれは、ロシア正教の教会なのです。正式には「京都ハリストス正教会・生神女福音教会」とあります。

京都に住んでもう二十年以上になりますが、こんな異国情緒あふれた建物があるとは、つい最近まで知りませんでした。敷地の中に入って写真を撮っていると、謎めいた記号がそこここにあります。しかし私にはその意味を解読できません。

十字架も、正教会に特有なロシア十字です。

建物の脇にあるパネルによると、「建物は、木造平家建のロシア・ビザンチン様式教会堂で、正面より玄関、啓蒙所、聖所、至聖所が1列に並び、最も広い聖所を中心とする十字形の平面構成となっている。聖所と至聖所とを仕切っている聖障は、柱と梁で区画されて油彩聖人像のパネル30枚が嵌められており、みごたえがある」、とあります。
教会の中を見たいものだと思いますが、それは礼拝に出なければならないようです。

 ロシア系の建物はなぜこれほどに美しいのでしょう。特にこの淡いブルーは、どこかで見たなあと考えていたら、そう、エルミタージュ美術館の外壁は、同じような淡いブルーではなかったでしょうか?

 この教会の南側に児童公園があり、そこでは子どもたちが、何の違和感もなく、キャッチボールをしていました。京都の町並みの中で、このような異国風の建物が生活に全く溶け込んでいることに驚いてしまいます。こんなところが京都の懐の深さだと言えるでしょうか。

《追記》ここでは、「ロシア正教」と書きましたが、実は70年に日本ハリストス正教会はロシア教会から独立したとのことです。従って現在では、独立した正教会となっているそうです。

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