チョウセンアサガオ

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 闇の中に妖しく白く咲くのは、チョウセンアサガオの花です。この花はその名とは裏腹に、夕方から蕾みをふくらませ、午後九時ごろに咲きそろいます。そして翌朝にはしおれてしまう一夜限りの命なのです。蕾みは下のように美しく折り畳まれています。

 ところでこの植物にはアルカロイドを含んで有毒なのです。江戸時代の有名な医者・華岡青洲が世界で初めて自分の妻を実験台にして、全身麻酔で乳癌の外科手術をしたときに用いたのが、曼陀羅華(まんだらげ)と呼ばれる、このチョウセンアサガオだったのです。それを記念して日本麻酔科学会のマークには、このチョウセンアサガオの花が使用されているそうです。
 この画像は、実は街路樹のわきに咲いていたものを、なにげなく撮ったものなのですが、調べて見るとこんなに深い歴史が内蔵されているのでした。

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