心は脆い

目次へ

 日本以外の東アジアの地域には、珍妙な日本語の製品が出回っているようです。私も台北でそういったものに出くわしましたが、先日バンコクで買ったと、知人からいただいたこのお土産ほどの傑作は、見たことがありません。

 「心(こころ)は脆(もろ)い」とは、意味深で格言風の域に達しています。しかも「においがよくて脆い」ときては、食べてみないではいられません。さっそくいただきました。正式名を「巧克(チョコレート?)の巻心脆」というのでしょうか。外見はロッテの『トッポ』にそっくり。しかし味は・・・うーん何か変。それもそのはず、

 中身のクリームは、チョコレートのはずが「あん入りのだ」そうなのです。あんなのか、チョコなのか、「はっきりせい!」と言いたくなります。そういえば確かに食感は「脆い」。またロゴの「Aji」も、考えてみると「Meiji」風なのかも。ちなみに原産地は「馬来西亜」(マレーシア)だそうです。
 東アジアの各地のコンビニや土産物屋などに、こんな楽しい、そして人生的に奥深い箴言を堂々と掲げたお菓子が出回っていると考えると、何かうれしくなってしまいます。

次へ