鞍馬5
-鞍馬寺-

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 鞍馬寺の本堂の前のこま犬ならぬ、こま虎です。今年は阪神の優勝もあるからか、何かほこらしげな風情を感じたりもします。それにしても、このこま虎のシマ模様は、渦を巻いていて普通の虎とはぜんぜんちがって不思議な雰囲気です。そう考えると、なぜこれが虎だと思ったのか、自分でも分からなくなってきます。まるで枝雀の落語の世界です。

 尚、この本堂の左には、「瑞風庭(ずいふうてい)」という小さな庭が作られ、そこには次のように記された立て札が立っています。曰く、『この庭は六五○万年前人類救済の大使命を帯びた護法大魔王尊が金星より「焔の君たち」を従えて、今まさに聖地・鞍馬山に降臨せんとする相を形象化したものである。北庭の白砂盛は魔王尊の乗物「天車」を意味する。云々』
 六五○万年前は、確かに石英閃緑岩の七千万年には及びませんが、人類発祥以前の希有壮大さには脱帽です。また最近細かな映像まで届くようになった火星からでなく、まだ謎に包まれている金星からというのも、神秘さを増すところです。
 ちなみに私の知人に、この金星大魔王の末裔だとのたまう方がいますが、その人はやはり何か天上的なものを感じさせる人なのでした。

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