黄檗(3) (音声つき)
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万福寺の本堂で、何かが始まったようでした。一人の修行僧が脇の出口から飛び出てきます。ただごとでないなと感じたら、この大きな声が響いてきたのです。何を言っているのかよくは聞き取れませんが、察するところ何かの偈(げ)のようです。ただ大きな声というだけでなく、音楽性も感じられます。この録音をしたあと、しばらく片づけをしていた若い修行僧は、出口付近に佇んでいた私の脇を、脱兎のごとく駆け抜けていったのでした。禅の修行は駆け足にもあるようです。
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