月と桃の御所
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今宵は十四夜。夜の御所には朧月がかかり、桃林の枝一杯につけた花がぼんやりと浮かび上がります。街の音は遠く、広大な御所は静寂に包まれます。平安の物語りに登場する公達や姫君、それに鵺(ヌエ)といった妖怪たちがふーっと現れて消える、そんな春の宵なのです。
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