銭形平次

戻る

  

 お茶の水から少し歩くと、祭りで有名な神田明神につきます。立派な門を入ると本堂があり、その中では神前結婚式がとり行われていました。本堂を巡ると、右手に大きな銭形平次の記念碑があります。この石碑は平次の住んでいたという神田明神の崖下を見下ろしています。基壇は何と寛永通宝なのです。この記念碑は放送局や出版社、長谷川一夫や大川橋蔵といった俳優によって建てられたようです。その右にある小さな石碑は、何とまた八五郎「がらっぱち」の石碑でした。
 架空の世界の住人なのに、これほどディテールにこだわった石碑が作られるとは、と感心して帰途について門を出てふと見ると、「三河屋」という、これまた時代劇に出てきそうな名前(悪代官の「三河屋、おぬしも悪よのぅ」というセリフを思いだした)の土産物屋で、藁苞(わらづと)に包まれた納豆を見つけて、思わず二つ買いこみました。その名も「千代田納豆」。家に帰って開けてみると納豆が裸かで入っていました。食べてみると非常においしい納豆でした。思わぬ発見と出合いがあった一日でした。

次へ