鉄橋
鉄橋には、いつも人を引きつける何かがあるように思います。これは岐阜・長良川に懸かるJR東海道線の鉄橋です。私が京都から岐阜の実家へ帰るときには、ここを渡っているのですが、いつか外から見たいものだと思っていました。今日は気持ちのいい日だったので、長良川の堤防の上の道を自転車で走ってみたのでした。
鉄橋には横断歩道があり、そこを渡るときにはこんな光景を見ることができ、吸い込まれてしまうようで、ふっと恐怖に襲われてしまいます。しばらく待っていると、快速列車が轟音とともに疾走していくのでした。
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実は最近、同郷の豊田 穣という直木賞作家の「長良川」という小説集を読み耽っているのですが、その舞台が岐阜市の西郊の穂積や墨俣あたり、ちょうどこの鉄橋の付近。それを確かめたいということもあったのです。この作家は同郷というだけでなく、私の両親と同世代で、深刻な戦争体験を作品に繰り返し取り上げているという点でも、非常に興味をもったしだいなのです。
この人は戦記物が多く、今では読まれなくなった作家ですが、興味をもたれたら、一度手に取っていただくのもよいかと思います。