吉田神社の節分祭

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吉田神社は、左京区の東一条という所にあります。ここは、節分祭で有名です。普段は静かな境内も、二月2、3日には大変な人出になります。参道にはびっしり立ち並ぶ露店。

少し階段を登って吉田山のふもとの本殿の近くにいくと、着物姿のお嬢さんたちが、くじ付きの福豆を売っています。

今日は二月二日。この日は鬼が出るのです。赤・青・黄色の三匹の鬼が参道を歩きまわって、親に抱かれた小さな子供や、かわいい女の子を見ると、「ガオーッ」とおどかしています。またこんなこともしていました。

本殿から山腹の大元宮に行く途中に、下のような河道屋というそば屋さんが毎年出ています。写真で見えるように「年越そば」となっています。これは節分が本来は、年の分かれ目であったことを思わせます。

大元宮には、全国の神様を祀ってあるということです。言い換えると全国の神様の頂点に、この吉田神社があるということらしいのです。これには何か反論でもでてきそうな気がします。
 露店のうちで私の好きなのは、椎の実や榧(カヤ)の実を売っている店で、焼いたギンナンを買うのです。ポケットに入れて皮をむきながら食べるほろ苦い味 は、絶品です。またもう一つのお気に入りは、下の写真の「にごり酒」。これは地元の酒造会社が作っているもの文字通りにごったお酒。ビンの中でも発酵が進 行していて、何日か部屋の中に置いておくとアワがプツプツと出てきます。味もなかなかです。

途中で、また赤鬼に出会いました。相変わらず、「ガオーッ」とやっていました。誰かが「あれはストレス発散に絶好だな」と言って いるのに共感!でもこの鬼たちも今夜、『追儺式』(ついなしき)で、黄金の四つの目をもつ「方相氏」という役人に矛と盾で追い回され、あわれ退散させられ る運命にあるのです。

帰りに、ふと振り返ると、下のような光景が目に飛び込んできました。実はこの参道をはさんで、両側に京大があるのです。北側には 正門、南側には旧三高の総合人間学部(教養部)の門です。この景色をみていると、「露店の上の象牙の塔」というフレーズが頭をかすめたことでした。

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