京都タワーはパラダイス!

戻る

 最近リクエストを受けて、京都タワーに行ってきました。京都に住むようになってもう四半世紀にはなっているのに、思えば一度も京都タワーに行ったことがなかったのでした。
 建設当時は、ロウソクタワーと言われ(実際仏壇の燭台がイメージされているのですが)悪い評判も多かったのですが、いつの間にか私も遠出から帰ってきて、このロウソクタワーが見えるとホッとするようになっている自分を発見したりします。それに夕空に佇むこのロウソクはなかなか優美なのです。


近鉄プラッツの屋上、ドラえもんとともに。

 タワーは、タワービルというビルの上にそびえているので、まずタワービルに入ります。ここには、食堂や土産売り場などは当然のこと、地階にはサウナ付きの風呂屋さん、その名もタワー浴場まであるのでした。

 エレベータで地上100メートルの展望台5Fまで昇ってまず目についたのは、巨大な駅ビルの向こう、夕靄に包まれた東寺の五重の塔でした。ここからは、京都の街と京都盆地が360度見渡せるのです。

北の方に目をやると、目の下に東本願寺が広がって、烏丸通りが湾曲しているのが目につきます。北山はかすんでいました。

 もう一つ下の階も展望台になっていますが、足元が透明なプラスチックを通して見えますので、高所恐怖をもっている方には、つらいものがあるかも知れません。景色をたっぷり堪能して辺りを見回すと、そこはどこも同じのお土産屋さん。モー娘やジャニーズやアユまでがいるのです。

 またこの展望階には、京都の大気の風速や風向に気温、さらにはオキシダント濃度を測定して、テレメータで公害センターへ送信する京都タワー測定局というものが設置され、公害の防止に貢献しているのだそうです。
 さて、京都市内の展望を終わって鋭角四角形のエレベータで、燭台の受け皿の部分に降りてくると、唐突に托鉢の坊さんとカメラ小僧のツーショットに出くわすのです。

 坊さんの表情はわかりませんが、じっと佇むカメラ小僧は、帽子と髪の毛とモミアゲの調和がなかなか味わい深いものです。

 実はここから、京都タワーの真にディープな部分が始まるのを誰が予想するでしょうか。そこには、京都の四季12カ月の行事を表わした模型が展示されているのでした。

これはこのホームページでおなじみの吉田神社の節分の鬼。

大文字の送り火も、こんなにかわいらしく。

階段は京都の町屋の雰囲気。

この青く浮かび上がっているのは、祇園の舞子さん
の幽霊ではありません。
そして、京都と言えば忘れてならない人物。

 そう、坂本龍馬です。これが坂本龍馬だとわかったのはなぜかと言えば、そばに池田屋が作ってあったからで、その外に証拠もないのですが、人々にこれが坂本龍馬だとわからせる、人形作りの方の力量の素晴らしさを感じてしまいました。この他にもここで紹介しきれないほど展示がありましたが、ページが重くなりますので、残念ながらこれくらいにしておきます。
 30年近く京都に住みながら、始めて京都タワーに来て、こんなに素晴らしいものを今日まで知らなかったことを恥ずかしく思いました。ここは実に、パラダイスなのでした。

     *               *

なお夜の京都タワーの優美さは、「イタリアン レストランにて」を見ていただければ幸いです。

次へ