大原・宝泉院
先日、半日久しぶりに大原に行ってきました。私の目当ては三千院ではなく、その先にある宝泉院です。京都バスの駅をおりて三千院への道をぶらぶら歩くと、いろいろなみやげ物屋さんが並んでいます。
みやげ物屋の中で私が好きなのは、ドレッシング屋さんにジャム屋さんです。また、途中で樽の中のつけ汁にキュウリを何本も浮かべた漬物屋さんがあります。串刺しになったキュウリを一本買って、アイスキャンデーのようにポリポリかじりながら歩くのもオツなものです。
三千院の門前を通りすぎて、突き当たりを左へいくと、すぐに宝泉院の門が見えます。ここは、知る人ぞ知る名園をもつ寺なのです。
客殿と呼ばれる座敷に座って、薄茶をすすりながら眺めるお庭は絶景です。時間の経つのをすっかり忘れて放心してしまいます。この眺めは実は、JRのポスターや「24の季節をもつ国」というコピーのメルセデスのCMで紹介されています。このお庭は、上の写真で見られるように、額縁庭園と呼ばれているそうです。
この宝泉院にはもう一つ、忘れられないものがあります。それは「血天井」と呼ばれるものです。客殿の廊下の天井は、関が原の戦の直前、徳川方の鳥居元忠ら数百人が豊臣方の大群に包囲され、伏見城で自刃したその廊下の板を天井として、供養にしたものということです。
上の写真でははっきりしませんが、自刃した武者の顔や甲冑の姿が浮かび上がっている(ように見える)のです。
この他に、鶴亀庭園と呼ばれる別のお庭には、沙羅の花が満開で、純白の花が池の水面に浮かんでいるのでした。