鞍馬7
-木の根道-

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 鞍馬寺の奥の院、魔王堂の付近には、ご覧のような木の根が地面の上をはい回っているところがあります。これは地面のすぐ下に岩盤があり、木の根が地中深く入れないことから起こる現象です。この道は「木の根道」と呼ばれています。またこの森は「極相林」をなしているということです。付近の立て札に解説されています。曰く、

       極相林(きょくそうりん)
 裸地や山火事・伐採などで樹木を失った土地には根はじめに光を好む草が生え、ついでマツやナラのような陽樹が入りこむ。その日陰にシイやカシなどの陰樹が生え、陰樹が成長して陽樹を追いやる。すると最後に陰樹だけの林となって永く安定する。これを極相林という。
 鞍馬山では、このあたり一帯が極相に達した森である。ウラジロガシ、ツクバネガシ、カゴノキ、サカキ、ツバキなど暖地性の照葉樹や、ツガ、モミなどの針葉樹が中心となり林内にはそれらの若木が育っている。
 このような森林ができるまでには、少なくとも二百〜三百年の歳月が必要だと考えられる。
山の自然を痛めないようにしましょう
  採らないように
  捨てないように
  草木も虫鳥も動物も人々も互いに助け合っ
  て生かされています。
                   鞍馬寺

久しぶりに、生態学の勉強をしました。

いよいよ明日は、鞍馬の火祭の日です。見物にお出かけの方は、けがと火傷のないよう、十分注意して楽しんできてください。「鞍馬の火祭」のページはこちら

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