瓦屋は今も変わらんか?

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 ある日、自転車で京の街をぶらついていると、住宅地の真ん中にこんな家を発見しました。家の外壁一面に鬼瓦が並んでいるのです。これはただならぬ雰囲気。ぜひとも取材をしなくちゃ・・・。

じっくり見てみると、鬼瓦の一枚一枚に、こわいだけでなく、愛嬌があることに気づきます。

 玄関とおぼしき所には「堤瓦商店」の看板。ここは上京区の大黒町というところです。格子戸の所には、この大黒町の由来が掲示してあります。「三代実録」などという文献を引用した格調高いものです。このご主人の教養の高さが窺えます。

 玄関の正面には、2メートルもありそうな瓦でできた大黒さんが客人を迎えています。この大黒さんは、ここの地名にちなんで、ご主人が作らせたのでしょう。素晴らしいできです。屋根の上には、これも瓦製の鍾馗さんが何人も。

 また家の正面には、お不動さんが祀られ、榊が供えられています。ここには、不動明王の真言なるものも表示されています。
 京都の街には、こんな素晴らしい心意気をもった店がまだまだ埋もれているような気がします。そんな店をこのコーナーでは紹介していきたいと思います。

 そしてこの瓦屋さんが、いつまでも変わらぬように願っています。

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