『中年期のこころ模様』について
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『中年期のこころ模様』伊藤 明著、かもがわ出版


・この本は、Dr.Itoが95年に出版したものです。この本の中では、「認知療法」というものが一つの柱になっています。
・私は、ある事情からこの本に出会い、認知療法というものを初めて知ったのでした。

実は私も四十才をすぎたころから、心身の不調に悩んでいました。ちょうどこの時に、ひょんなことから著者に出会い、この本に出会って随分助けられた思いだったのでした。
それから、著者には今日までお付き合いしていただいているのです。
・「うつ」をどう考えて、どう付き合っていったらよいのかということを教えてもらったのでした。

・この本の主なテーマは、大きく分けると次のように分けられます。
・第一は、このホームページのテーマでもある「認知療法」について、分かりやすく具体的に解説すること。

・第二に、この本の表題になっている「中年期」というものは何か、ということ。もっと正確にいうと、人間というものは、一生涯発達を続けるものだということ、その中で「中年期」というものが考えられるということ。
・人間はだれも、死ぬまで精神的に成長を続ける存在であることを著者は主張しています。

・第三に、一人の人間を理解するためには、「身体」と「こころ」と「社会」の三つの要素に目を向ける必要があること。従って、治療の方法も、この三つの要素を対象にしたものが存在するということ。

・最後に、「うつ」などの精神的な障害についての解説と、その治療法についての解説です。この中の一つが認知療法であるわけです。

・また、著者がファンだというビリー・ジョエルの最近の歌に見られる、中年期のターニングポイントについての考察が展開されています。


□以下に、以前にA新聞の読者欄に掲載された紹介文を掲げておきます。

  わたしの「おすすめBOOK」
 「中年期のこころ模様」 伊藤 明著 かもがわ出版 1600円
 齢四十をこえると「体がついて来ん」という場面が多くなり、自分も中年かなと思うこのごろです。「中年」という言葉にひっかかりを感じつつも、妙に気になり手にしてみたのでした。
 日ごろ何となく感じていた「若い頃のようにはいかないワ」という実感が、みごとに明らかにされていて、青春コンプレックスが拭いさられる思いです。尻の青い青春ではなく、ほんとうに成熟した大人とはなにかを考えさせてくれます。ストレスに抵抗力の弱い「こころのくせ」を修正するという認知療法、日ごろの口ぐせをチェックするなどドキリとします。人は一生発達をするという考え方は、年をとる事に対する「拒否感」を和らげ素直にうけとめられます。ビリー・ジョエルの例も興味深く読みました。著者は精神科医で、治療の経験が生かされているのだと思います。ぜひオススメです。          T.Y.

・また私以外にも、この『中年期のこころ模様』によって助かったという人は何人もおられるようです。例えば次の本。

・矢萩正芳著『教師が心を病むとき――私の「うつ病」体験から』(高文研、1998)。この本では、うつ病に陥った高校の先生が、『中年期のこころ模様』を導きとして、その中に紹介されている方法を応用して、『うつ』とうまく付き合い、それを克服していく過程を赤裸々に綴っておられます。この本を読むと自分だけではなかった、ということが分かり、ホッとさせられます。
・なおDr.Itoによると、『中年期のこころ模様』の読者は、不思議に学校の先生たちが多いということです。これは学校の現場のストレスが強くなっていて、先生たちがこの本の内容がぴったりすると感じられるのかもしれない、ということです。

・というようなわけで、主にこの本を基にして、これから認知療法について、私の理解している限りでお話しして行きたいと思います。

・ただし、私自身は個人的には多少の勉強はしたものの、医者とか心理学者といった専門家ではさらさらありませんので、誤解や偏りが大いにあると思いますので、この点ご容赦をお願いします。
私の意図はあくまで、認知療法という、感じ方やこころのもち方を少しずつ変えていく方法があって、私の場合にはこれが大いに役に立ったので、皆さんにご紹介したい、と願っているだけなのです。
このページの内容を読んで認知療法に興味をお持ちになった方は、ぜひ『中年期のこころ模様』の本に当たっていただきたいと思います。

・なお、この説明にあたっては、『中年期のこころ模様』から数々の引用をさせていただくことになりますが、これについては、著書の許可をいただいております。
                                     この項終わり。

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