ニセアカシアと花折断層

戻る


2001.5.8

ニセアカシアの並木は、今満開です。京都大学の農学部グラウンドの東側と、疎水ベリに走る道路との境界をなしている崖に沿って、むせ返るような甘い香りを放っているのです。私は日頃、疎水に沿ったこの道路を散歩道にしています。グラウンドでは、アメリカン・フットボールの京大ギャングスターズが練習試合なんかをしています。グランドと道路との段差は4メートルほどあり、何か不思議な雰囲気の空間を作りだしています。

この崖がもつ地質学的な意味を知ったのは、京大の地震学の尾池教授のホームページを見てからでした。何とこれが、花折断層の断層崖そのものであるということなのです。もっともこの崖ができたのは、今から二千年以上前のことだということです。と言っても、二千年以上の時間が経過しているからこそ、問題なのです。つまり二千年に渡って地震のエネルギーを溜め込んでいるわけですから。花折断層はさらに南へ向かい、吉田山の西側を通過し、聖護院に至っているそうです。京都の住む者にとって、花折断層は無関心ではいられない存在なのです。

なお参考に尾池教授のホームページのURLは以下の通りです。
http://www-seis.kugi.kyoto-u.ac.jp/~oike/index-k.html
このホームページでは、地震関係の記事の他、尾池教授ご自身が襲われた急性心筋梗塞の闘病日記を読むことができます。これは非常に貴重な記録だと思いますので、皆さんもぜひ覗いてみられることをお進めします。

次へ